ランチェスター経営「弱者の戦略」というのは中小零細企業が成功するための法則のことで、イギリス人のフレデリック・W・ランチェスター氏が提唱した戦闘における法則を、日本で経営に当てはめて活用したものです。小さな会社が正しく勝つためのルールと言えます。有名なところでは、経営コンサルタントの竹田陽一氏が活躍されています。
日本の企業の99%は中小零細企業ですが、世の中に流れている情報は大企業向けの情報ばかりです。小さな会社が大企業と同じことをしても絶対に勝つことはできません。
そこで、生まれたのが「弱者の戦略」です。
ポイントは次の4つに集約されます。
●差別化 (弱者は大企業とは違うことをする)
●小さな1位 (弱者は小規模な分野で1位をとる)
●一点集中 (1つに絞る)
●接近戦 (弱者はエンドユーザーに直接営業する)
そして、具体的な経営の8つの項目があります。
①商品(何を)
②地域(どこの)
③客層(誰に)
④営業(どうやって新規顧客をつくるか)
⑤顧客(リピート・ファン・信者作り)
⑥組織(人事・研修・やる気・活気など)
⑦資金(資金調達と配分)
⑧時間(働く時間・働き方)
となります。
この中でも最も重要なのがこの3つ
①商品(何を)、②地域(どこの)、③客層(誰に)です。
まず、①商品、何を売るのかを決めます。
新しいものでなくてもいいので、自社の商品・サービスの中で信頼が持て、需要が見込めて、しかもライバルが少ないものを徹底的に絞り込みます。
一点に集中するので仕事も楽になり、広告も作りやすく、◯◯◯の専門家ということができます。
例えば、リフォーム屋さんの場合、リフォームの中でも「屋根」なのか「外壁」なのか「床」なのか、その中でもどういう「屋根」どういう「外壁」どういう「床」という具合にとことん絞り込みます。絞り込むことでライバルとの差別化にもなり、お客さんにピンポイントで伝えたいことが突き刺さります。
次に、②地域を決めます。
例えば、愛知県の中でも名古屋市、名古屋市の中でも天白区、もしくは自社から半径1km、という具合に絞り込みます。そうすることで営業がしやすくなり、移動時間も短縮されコスト削減にもなります。そして、地域密着ということで、お客さんにより近い位置での営業活動でライバルとの差別化ができます。
つまり接近戦で各個撃破を狙うわけです。
そして、③客層を決めます。
自社の商品・サービスを売るお客さんを絞り込みます。年齢、性別、職業、趣味、性癖など、徹底的に絞り込みます。
そうすることで、その客層にピンポイントで情報が伝わり、需要があるので売り込まずに売れていきます。営業もしやすく、広告も作りやすい。
あとは、リピーターを確保し、長時間労働でライバルに差をつけ、各分野でNo.1を狙うことです。No.1になれば話題になり、広告にも載せることができます。
冒頭でもご説明しましたが、中小零細企業は大企業と同じことをしてはいけません。徹底的に絞り込んで一点突破を目指しましょう。桶狭間で織田信長が使った戦法にも通じる「弱者の戦略」を実践して、不況を乗り切りましょう。
実践している有名な会社でいうとソフトバンクの孫正義さんがいます。
ランチェスター経営と孫子の兵法を実践しています。ソフトバンクは今は強者の戦略になっていますが、始めは弱者の戦略で勝ち上がってきた会社です。
ラーメンの一風堂は女性向けのラーメンで成功し、先日上場のニュースも流れました。
●おすすめの書籍
「小さな会社儲けのルール」竹田陽一、栢野克己 著
中小企業経営者必読書です。中小企業の成功事例が盛りだくさんです。
ぜひ読んでみてください。
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